20 世紀初頭のルーマニアの音楽家、George Enescu によるオペラ『オイディプス王』が、ジャズへと解体・再構築。『Oedipe Redux』と題されニューヨークのレーベル Sunnyside Records から 5 月にリリースされます。手がけたのはトランスシルバニアのピアニスト Lucian Ban と 、アメリカのバイオリニスト Mat Maneri。
アルバム情報
- タイトル: 『Oedipe Redux』
- アーティスト: Lucian Ban
- 2023 年 5 月 19 日
トラックリスト
- Prelude
- Tirésias et Laïos
- Helas! Terre lamentable…
- Interlude I
- Adonis couché sur la pourpre et l’or
- Le berger
- Hécate, Hécate
- Oui suis-je? Le Corbeau crie…
- Interlude II
- Le crime, mort de Laïos
- El est un breuvage
- La Sphynge
- Couronnement et chute
- Je mourrai dans la lumière
Enescu は20世紀初頭に驚異的な才能を発揮した音楽家。ヴァイオリンの名手として知られたほか指揮、チェロ、ピアノの腕前も巧みでした。Pablo Casals (チェロ奏者、1876 〜 1973、スペイン) は「モーツァルト以来の最高の音楽家」と絶賛しましたが、しかし、十分な評価を受けてきたとは言い難いというのが実情でしょう。
今回、Enescu のオイディプス劇に取り組んだ Lucian Ban と Mat Maneriは、トランシルバニアの民俗音楽と即興演奏の融合や、20世紀のヨーロッパのクラシック音楽のジャズへの再構築すること、そして現代的な室内ジャズの追究で知られています。
Bandcamp で先行公開されている楽曲から伝わるのは、原作の重厚な趣きは柔軟に再解釈され、ジャズらしい縦横無尽な伴奏に、親しみやすさのあるボーカルパートが同時に存在する、聴き応えのある音楽。