「 音楽の哲学・音楽美学 」一覧

リズムを哲学する: 古代ギリシアから現代ポピュラー音楽まで

音楽の世界において、リズムほど私たちの感覚に直接訴えかける要素はほとんどありません。リズムは私たちの日常生活に深く根ざしており、心拍、呼吸、歩行といった生理的なリズムから、社会的なスケジュール、自然界のサイクルに至るまで、あらゆるところでその存在が感じられます。では、音楽におけるリズムとは具体的に何を指すのでしょうか?また、それはどのようにして音楽の中で機能しているのでしょうか?

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音楽における「時間」を哲学する

音楽は、しばしば「時間の芸術」として語られます。これは単なる音の並びが時間とともに進行するという表現を指すにとどまらず、音楽自体が時間を素材にした表現であることを意味します。音楽は、時間を組み合わせ、時間を利用して感情や意図を伝える媒体です。この点に関して、「The Parameters of Time and Expression of Music」(2024)は、音楽と時間の関係を哲学的な視点から考察し、深く掘り下げています。

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音楽と言語の深い関係: 音と意味のアナロジー

私たちの周りにあふれる音楽と言語。音楽が私たちに語りかけるものと、言語が持つ表現の力は、私たちの感性や知識に大きく影響を与えています。「Music and Language (Connections Between Verbal and Musical Languages)」(2024) によれば、音楽と言語の結びつきは単なる類似性ではなく、二つの異なるシステムが持つ共通の特性を持っていると言います。今回は、この論文の内容を掘り下げ、音楽と言語の本質的な関係について考えてみたいと思います。

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デカルトとバッハに学ぶバロック音楽の表現力

音楽における表現の美しさや感動は、古今東西で多くの理論家によって論じられてきました。バロック時代の美学もその一環であり、音楽表現の発展において非常に重要な位置を占めています。本記事では、バロック時代の音楽表現における美学的原理に焦点を当て、その歴史的背景や理論の詳細について解説します。

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音楽的耳と内的聴覚: 音楽表現の核心に迫る

音楽を聴く際に、私たちは何を感じ、どのように理解しているのでしょうか?音楽的才能とは、生まれつきのものなのでしょうか。それとも訓練によって培われるものなのでしょうか?今回のブログでは、J. Rimas ・J. Rimas Jr「The Search for Abilities and Characteristics Which Produce Expression of Quality」(2024) を基に、音楽表現を生み出す能力と特性について掘り下げていきます。

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音楽と精神文化: 内なる成長を促す力

音楽は単なる娯楽としてだけでなく、精神文化の一部として大きな役割を果たしています。皆さんは、音楽がどのように私たちの内面や社会的な価値観に影響を与えるのか考えたことがありますか?本稿では、Music: A Part of Spiritual Culture」(2024)という論文を通じて、音楽と精神文化の関係について掘り下げていきます。この論文によれば、音楽は単なる音の集まりではなく、深い精神的意味を持つものとして位置づけられています。では、音楽がいかにして私たちの精神文化の一部となり、どのように私たちの意識や行動に影響を与えているのかを見ていきましょう。

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音楽の本質とは?: 歴史的・存在論的な考察

音楽の起源はどこにあるのか?なぜ音楽は私たちにとってこんなにも大切なものになったのか?この記事では、「The Origin of Music and Its Specific Characteristics (the Historical-Ontological Aspect)(音楽の起源とその特性:歴史的・存在論的側面)」(2024)に基づき、音楽の成り立ちやその特徴について深掘りしていきます。この論文によれば、音楽の本質は歴史的、哲学的にどのように発展してきたかを理解することにあるのです。

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ノイズの本質を探る: ジャック・アタリとポール・ヘガティの理論比較

三宅香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(2024)は、明治維新後のベストセラー史を整理きながら日本人の読書観を描出し、現代日本の読書スタイルを明らかにする読書論だと言えます。ただし本書は単なる読書論にとどまらず、「読書ができる生き方」を提唱しています。そのなかで「ノイズ」「半身で生きる」などいくつか重要な考え方が示されているのですが、この記事では特に「ノイズ」に注目したいと思います。というのも『なぜ働いていると・・・』における「ノイズ」は、本書において重要な位置を占めながら、そもそも「ノイズとは何か」が十分に議論されているとは言えないからです。

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音楽記号学と演奏解釈:ベートーヴェンの「ワルトシュタイン」ソナタにおける新たな視点

音楽記号学とは一体何でしょうか?また、それはどのようにして演奏解釈に影響を与えるのでしょうか?本記事では、音楽記号学の理論を用いてベートーヴェンのピアノソナタ「ワルトシュタイン」Op.53を分析した学術論文を紹介し、その内容を詳しく解説します。この論文は、ベートーヴェンの作品に新たな解釈を与え、演奏者にとって重要な視点を提供しています。

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