「フリースタイルダンジョンが流行っている」というのが認知されておちついている状況の昨今, このムーブメントについてはいろいろな意見があるようですが, あんまその辺のこまいかい個別個別の意見には興味無いんですが, 日本でヒップホップがもう 1 回, 97 年からゼロ年代初頭くらいまでの盛り上がりがあれば素敵やん! ていうのはあります.
前回のラップ・ブーム
わたしはもうモロにその世代で, それまでじわじわ築き上げられてきた日本語ラップのシーンをいわば横取りみたくドーッンと ( いまではすでになかったことにされている, しかしなかったことにされているにも関わらず現状おそらく日本でイチバン有名なラインのある曲を共作した ) Dragon Ash が席巻して, そっからリップやらキックやらが流行って, その一方でハーコーなのもどんどん台頭していって, ただ, 少しずつ, こう, チャートで目立つのはわかりやすい, ヒップホップではないラップ「みたいなの」が多くなって, ていう. いろいろはしょりますけど, わたしの実感としては, FUNKY MONKEY BABYS が解散して日本のラップブームは本格的な終わりを迎えた, と. その端緒はビリケンにあるぞ, と.
あの頃, フォークも流行ってたんですよ. ゆずとか, 唄人羽とかね ( なつかしすぎだろ… ). 単純な伴奏とストレートな歌詞, ていう点ではフォークとヒップホップって共通点があると思うんですけど, それが裏目に出た. ああ, 長くなるからやめます. いや, ちゃんとハーコーなのは続いてて, 追えるようには, ちゃんと系譜にはなってるんですけど, ただ, 悪そうなヤツっていう, そういうイメージが小馬鹿にされる感じが拭えないままずーっときてた.
歴史, 繰り返さんとくれ
その悪そうなヤツなのを楽しめたらめちゃくちゃ面白いのにね, てずーっと思ってたところに, なぜか ( いやこれ, なぜいま MC バトルが流行っているのか, てのを誰か分析してくれたら面白いと思うんだけど ) MC バトルが流行ってて, で, このまま日本でもヒップホップがまた流行ってほしいな〜, コンビニでヒップホップとか流れてほしいな〜, てイチ・ヒップホップ・リスナーとして期待しているわけです.
頼むぞ, と. 同じ歴史を繰り返すなよ, と. まあ, もう, フォークと接近することはないでしょう. ラップメタルみたいなのもあんま流行ってないし. 親に感謝みたいなのもナシってことになってるし. 今回はね, いけるんじゃないですかね.
ラップの鑑賞レベルは向上している! はず
いやもうね, ラップといえば「Yo Yo!」みたいなイメージから, 韻を踏んでビートのうえで喋る, ていうイメージにちゃんと変わっているようで. 個人的にはそっからもう一歩進んで, 聴くべきはやっぱ, ビートに対していかに言葉をのせているか, ていう, いわゆるよくいわれるトラックにおけるビートの「ズレ」とか「ヨレ」とかよりも, ラップのアプローチによってビートがズレて聴こえたりする, そいうパターンもある, と. 優れたラップは, 単純なビートを複雑に聴こえさせる, と. そういうところでラップが聞かれるようになったらもっと面白いなんて思ったり. そうじゃないとね, ただ歌詞だけに注目してもね, じゃあ歌詞カード読んどけ, ていうハナシですし. あと, 韻を踏む, てのだけ注目されすぎても, 謎かけみたいな, そういう楽しみ方しかできなくなてしまうのももったいない.「整いました」じゃあないんですよ ( いや, 謎かけは謎かけですこい才能だと思いますけど ). ビートに対する言語の発話のアプローチという観点からラップを聴くと, 洋楽のラップなんかもすごく楽しめたりするんですよね. 英語わからなくても, なんか言語は話されている, というのはわかるでしょ?
歴史, 繰り返すんかーい!(笑)
なーんて, いろいろ期待していた矢先,
おーい! なんか違うぞー! 歴史は繰り返すんかーい! もう終わりの始まりかーい! やっぱ日本にヒップホップは定着しないんかーい!
てなってしまったんですけど.
いやもうね, まあ, その, ラップとヒップホップは違う, みたいな. ロックでラップできるしアニソンでラップできるし, そういうのもアリでしょ? みたいなのは分かる, 分かるんですけどね … . 分かるんだけどさ〜, もうちょっとね〜, ややこしいからもう, ヒップホップのビートに, トラックに乗っかって喋るのがラップで, そうではないのはラップではない, ていうことにしませんかね? その方がすっきりするでしょ. ダメですかね? じゃあヒップホップのビート, トラックってなんやねん, て言われても知らないんですけど.
いやいやいや, お前のやってることは何やねん, エラそうに言う割に自分はボーカロイドにラップさせるとか言ってしょっぱい楽曲をサンクラにあげとるやんけ, と言われたら, はい, すみません, としか言えなんですけど, わたしがやってるのは, ラップを MIDI 的に, いや, 違うな, ドレミファソラシドの 12 音に落とし込むとどうなるか, その 12 音で再現できないか ? 的なことですので, ていうまあ, いちおう, そういう言い訳はあるわけです (そういうわけなんで, わたしはラップを聴くときは, 表層しか聴いてません. どういうことかというと, いわゆる文脈とか聴いてないですね. あくまで, リズムに対する喋りのアプローチを聴いている, ていう感じなんで, このリリックが何の引用だなんだかんだはほとんど聴いてなです ).
その辺は, もうちょっと内容的に古いからあまり読む価値はないですが, コレを読んでいただいたら分かると思います.
なーんてね, ちょっと思いましたね. まあ, ちょっと毎日毎日, 新譜聴いて感想書くのが疲れたので, こういうのも書いてみました. てことで.