「 Arthur Schopenhauer 」一覧

音楽学と哲学 (『The Oxford Handbook of Western Music and Philosophy』読書ノート (2)「1.1 Historical Musicology and Philospohy」)

この記事は『The Oxford Handbook of Western Music and Philosophy』「PART Ⅰ. Chapter 1. Historical Musicology and Philospophy」の読書ノートです。

本章では、音楽学と哲学の関係が探求されています。音楽学はその定義が曖昧であり、音楽とロゴス(言語)の対立が原因であることを指摘します。音楽学は19世紀後半に確立され、グイド・アドラー Guido Adler の『音楽学の範囲、方法及び目標』がその基礎を築きました。

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近代の音楽思想 (5) ニーチェ

本ブログでは現在、西洋哲学における音楽思想の歴史を解説しています。前回の記事までで、近代における音楽思想として、アルトゥル・ショーペンハウアー Arthur Schopenhauer、フリードリヒ・シェリング Friedrich Schelling 、ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル Georg Wilhelm Friedrich Hegel 、そしてワーグナー Richald Wagner の思想を詳しく解説してきました。今回はその続きとして、フリードリヒ・ニーチェ Friedrich Nietzsche の音楽美学に焦点を当てます。ニーチェの音楽美学とは何でしょうか? 彼の思想における「アポロン的」と「ディオニュソス的」とはどういうことでしょうか? ニーチェの視点から音楽の本質を探っていきましょう (参考: History of Western Philosophy of Music: since 1800)。

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近代の音楽思想 (4) ワーグナー: 総合芸術作品の理念

近代の音楽思想において、音楽とドラマはどのような関係にあるのでしょうか?今回の記事では、リヒャルト・ワーグナー Richard Wagner の音楽哲学を通じて、このテーマを探求します。前回の記事までで、ショーペンハウアーやヘーゲル、シェリングといった哲学者の音楽思想について解説しましたが、今回はその続きとして、ワーグナーの音楽とドラマの結びつきを詳しく見ていきます。参考は History of Western Philosophy of Music: since 1800

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近代の音楽思想(2) 形而上学の響き: ショーペンハウアーが探究した音楽の本質

音楽は単なる音の配列以上のものです。それは感情、思想、さらには宇宙の根本原理を映し出す鏡とも言えるでしょう。では、音楽がこのように多層的な意味を持つようになった背景には何があるのでしょうか? 19世紀のドイツの哲学者、アルトゥール・ショーペンハウアー Arthur Schopenhauer は、音楽を中心に据えた独自の哲学体系を築き上げ、音楽が持つ深い形而上学的な意義に光を当てました。今回の記事では、ショーペンハウアーの音楽哲学に焦点を当て、彼の思想が今日の私たちの音楽観にどのような影響を与えているのかを探ります。

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