Leonard Cohen は軽快に真実を聴かせてくれた

例によって例のごとく, Lenard Cohen については Jeff Buckley を通じて知りました. たぶん TSUTAYA 五反田店でベスト盤を借りて初めてまともに聴いたのが 2006 年だったと思います. 正直言うと, 映画『The Edukators』のエンディングで Jeff Buckley の「Hallelujah」を聴いたときのような, 一発で打ちのめされた感はなかったんですが,



けど原曲の「Hallelujha」を聴いたとき, カバー版とは別の,「聴いちゃいけない」感があった.

これはパンクとかハードコアとか, なんかそういうんじゃない, そういうのとは別の, 危ない音楽だ.

これを聴いたらこれと向き合い続けなければならないタイプの音楽だ.

なぜ向き合わなければならいのか. Leonard Cohen は重々しい声で, はっきりとした詩で, 真実を伝えるからだ. しかし, 軽快に. Leonard Cohen の曲調の多くは, そのド渋な歌声, 辛辣な歌詞に関わらず, とても軽快だ. だからただ重々しいだけでも, ただ軽快だけでもない. なぜこの声にこの曲調なのか. なぜこの曲調にこの詩なのか. こうした「なぜ」が取り憑いてくるからこそ, Lenard Cohen は一度聴いたら向き合い続けなければならないのだ.

今日, 2016 年 11 月 11 日, Leonard Cohen が死んだ. この日に, このタイミングに, この年に, Leonard Cohen が死んだ, ていうことで思ってしまうことも最後にちょっと書いておこう. トランプが大統領に選出された翌日? それもある. それもあるけどそれ以上に言いたいのは, Bob Dylan なんかより Leonard Cohen の方がよっぽどノーベル文学賞にふさわしい, てことだ.

それほど Leonard Cohen はポピュラー音楽において偉大だ. まだ Leonard Cohen を聴いていない音楽ファンには, 絶対に聴いてほしい. そして, 向き合い続けてほしい.


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