「 Xtra Peace 」一覧

近世の音楽思想 (5)ルソー、和声、模倣

音楽の哲学史シリーズの「近世の音楽思想」。今回はジャン=ジャック・ルソー Jean-Jacques Rousseau の音楽に対する見解と、彼の思想が当時の音楽界に与えた影響について詳しく見ていきます。前回は、近世における音楽思想として、デカルトやライプニッツの思想、そして音楽における模倣と表現の対立に焦点を当てました。今回は、ルソーの音楽へのアプローチと、彼が生涯を通じて追求した音楽の表現力と哲学について深掘りします。参考は Stanford Encyclopedia of Philosophy の「History of Western Philosophy of Music: Antiquity to 1800」の項目です。

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近世の音楽思想 (4) 模倣から表現へ

前回までで、フィレンツェ・カメラータからメルセンヌ、デカルト、ライプニッツに至る近世の音楽思想を探求してきました。今回の章では、18世紀を通じて模倣から表現へと移行する音楽思想の発展に焦点を当てます。

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近世の音楽思想(3)メルセンヌ、デカルト、ライプニッツ

前回の記事までで、ティンクトリスやザルリーノの音楽思想、そしてフィレンツェ・カメラータについて考察しました。今回は、近世音楽思想のさらなる探求として、音楽における感覚と合理性の探求に焦点を当て、メルセンヌ、デカルト、ライプニッツの貢献を詳しく見ていきましょう。参考は Stanford Encyclopedia of Philosophy の「History of Western Philosophy of Music: Antiquity to 1800」の項目です。

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近世の音楽思想 (2) フィレンツェ・カメラータの影響

前回の記事で、近世初期の音楽思想として、ティンクトリス Tinctoris やザルリーノ Zarlino の理論を掘り下げました。今回は、その続きとして「メロディと表現」に焦点を当て、特にフィレンツェ・カメラータ The Florentine Carameta の重要性と彼らが音楽に対して持っていた哲学的なアプローチについて詳細に説明します。主な参考先はこれまでと同様、Stanford Encyclopedia of Philosophy の「History of Western Philosophy of Music: Antiquity to 1800」の項 です。今回の記事ではでは、メロディがどのように音楽の表現力を高めるのか、そしてそれがなぜ近世の音楽思想において重要なのかを探ります。

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近世における音楽思想(1) ティンクトリス、ザルリーノ

音楽は時として私たちの心を動かし、感情を揺さぶり、思考を刺激します。しかし、この強力な影響力はどこから来るのでしょうか? これまで「音楽の哲学史」シリーズでは、古代ギリシアの音楽思想から中世の音楽哲学に至るまで、音楽が持つ意味や役割について考察してきました。今回は、その続きとして、近世 (early modern) における音楽哲学の展開に焦点を当てます。近世において音楽思想は、音楽と感覚的快楽、そして表現の力が探求されるようになりました。では 15 世紀からの音楽に関する思考の変化を追いかけましょう(参考: History of Western Philosophy of Music: Antiquity to 1800)。

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中世の音楽哲学(4)中世イスラム世界の音楽哲学

音楽と宇宙、そして人間の内面とはどういう関係性・・・、などというと、現代では荒唐無稽に思えますが、この問いに対する探求は、古代ギリシャ時代から続く音楽の哲学の歴史において重要なテーマです。中世では、この探求はさらに深化し、イスラム世界においても顕著な発展を遂げました。

本ブログの「音楽の哲学史」シリーズ、今回は中世の音楽哲学、特にイスラム哲学者たちの貢献に迫ります(参考: History of Western Philosophy of Music: Antiquity to 1800)。

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中世の音楽哲学(3)リベラル・アーツの分類

「音楽の哲学史」を掘り下げるこのシリーズの「中世」では、これまでにアウグスティヌスやボエティウスの貢献、そしてキリスト教における音楽思想の基礎を概観してきました。しかし、音楽がどのようにして中世の学問体系の中で位置づけられ、その意義がどのように変化していったのか、という点についてはまだ深掘りしていません。そこで、今回の記事では、「音楽とリベラル・アーツの分類」というテーマを探ります。音楽がリベラル・アーツの一部としてどのように扱われ、その中でどのような役割を果たしたのか、そしてそれがなぜ重要なのかについて、見ていきましょう。

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中世の音楽哲学(2)音楽、哲学、そしてキリスト教

音楽と哲学とは、表面的には異なる分野に思えるかもしれません。しかし、古代から現代に至るまで、これら二つの領域は密接に関連してきました。特にキリスト教の登場は、音楽理解においても転換点をもたらしました。では、「キリスト教思想が中世の音楽哲学にどのような影響を与えたのでしょうか?」この問いを探求することで、音楽の持つ深い意味と、それが人間の精神性とどのように結びついているのかを探ります。

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中世の音楽哲学(1)後期古代から中世における音楽哲学: アウグスティヌスとボエティウス

本サイトではこれまで古代ギリシアの音楽哲学を紹介してきました。

ピタゴラスの宇宙の調和からアリストテレスとプラトンの音楽観まで、音楽が古代ギリシア社会においていかに重要であったかを見てきました。今回は、その旅を続け、後期古代から中世にかけての音楽哲学の発展を探ります。(参考: History of Western Philosophy of Music: Antiquity to 1800)

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古代ギリシアの音楽理論: アリストクセノスと、音楽道徳への懐疑

音楽というアートフォームは、単に耳を楽しませるもの以上の価値を持っています。歴史を通じて、音楽は哲学的探究の対象でもあり、その奥深さは古代から現代に至るまで多くの思想家たちによって探求されてきました。この記事では、Stanford Encyclopedia of Philosophy の「History of Western Philosophy of Music: Antiquity to 1800」を参考にし、古代ギリシア、特にアリストクセノスの音楽理論と、それに続く音楽と道徳教育に関する懐疑的な見解を通じて、音楽と哲学がどのように絡み合ってきたのかを見ていきます。

アリストクセノス: 感覚を通じた音楽理解

アリストテレスの弟子であるアリストクセノスは、音楽現象を数学的な用語ではなく、認知の対象としての音楽要素の分析を通じて記述すべきだと主張しました。彼の見解では、話し声と歌声の違いは、声のピッチ空間を通じた移動の仕方にあります。このような区別に基づき、アリストクセノスは音楽構造の理解を深め、音符(phthongos)の定義を提供しました。これにより、音楽を感覚を通じて体験し、理解するための新たな方法論を提示しました。

音楽理解のための認識と記憶

アリストクセノスは音楽理解において、認識と記憶の能力が重要であると考えました。彼によれば、音楽の内容を追うためには、成り行きを認識し、既に生じたことを記憶する必要があります。このアプローチは、音楽体験が単に現在の感覚に留まらず、未来への予測と過去の記憶を統合するものであることを示しています。

音楽と道徳教育に関する異なる視点

アリストクセノスの後、音楽が持つ教育的および倫理的価値についての考察は続きますが、この領域には懐疑的な声も存在しました。エピクロス派のフィロデモスは、音楽が情熱を模倣する能力に疑問を投じ、音楽の楽しみがその理解とは無関係であると主張しました。セクストゥス・エンペイリクスも、音楽の研究が楽しみに貢献するという考えを否定しました。これらの懐疑的な見解は、音楽と道徳教育の関係を再考するきっかけを提供します。


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