シューマン、詩人の恋、フモール、深い感情

音楽における表現について、田村和紀夫『音楽とは何か ミューズの扉を開く七つの鍵』「第三章 音楽は表現である」を引用しながら、あれこれ思い巡らしているところです。こちらも参考にしてください。

『音楽とは何か~』によると、音楽は「気分」や「雰囲気」といったいわば曖昧なものしか表現できません。そして、「気分」や「雰囲気」といっても、何故悲しいのか、嬉しいのか、といった理由や、もちろん、場所とかそういった具体的なものを描写することもできません。

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セルジュ・チェリビダッケ『音楽の現象学』

音楽の 現 象 学 というタイトルに偽りない、中身の濃い、私の読んできた中で最も音楽の本質を衝いている本のうちの1つです。ページ数が短いからと言って、しかもその1/3程度がコンサート記録や、誰 得 の セ ル ジ ュ お じ い ち ゃ ん モ ノ ク ロ グ ラ ビ ア (本当に誰が得するんだよ! 要らねえよ! 本の値段高くするために無駄なページ作ってんじゃねえよ!)であるからと言って、侮ることはできません。チェリビダッケの一言一言は、膨大な注釈が必要でしょう。つまり、チェリビダッケが何を言おうとしているのかを、単語ごとに、文節ごとに、文ごとに・・・、確認しながら読まなければなりません(つまり、かなり読み難い。これは翻訳にも原因があるのかもしれません)。

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音楽は気分や雰囲気しか表すことができない

音楽における表現について、田村和紀夫『音楽とは何か ミューズの扉を開く七つの鍵』「第三章 音楽は表現である」を読みながら、あれこれ思い巡らしているところです。こちらも参考にしてください。

 さて、『音楽とは何か~』によると、音楽には「描写能力の限界」がある。これについては、次のように述べられます。

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音楽は何を表現するのか、修辞学

音楽における表現について、田村和紀夫『音楽とは何か ミューズの扉を開く七つの鍵』「第三章 音楽は表現である」を読みながら、あれこれ思い巡らしているところです。こちらも参考にしてください。

『音楽とは何か~』によると、「歌詞が音楽を説明する」のであり、「音楽の描写力はやはり不確定なのであり、「それが何であるか」を示すには、言葉を必要とする」のだそうです。

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音楽は何を表現するのか

音楽は表現なのだけれども、では何を表現するのか、という問題があります。

例えば、個人的にはさっと思い付くのは 感 情 とか 気 持 ち です。

ただ、音楽家のインタビューなんかを読んでみると「まず風景が思い浮かんで」「その風景を音楽にする」みたいな発言もちょいちょい見かけます。この場合は、一般的に言って、心の内面だけではなく、心に関係した心以外の世界を表現しようとしていると言えるでしょう(いや、そう言うと、感情だってあんた、心の外面と関係しているし、うんぬんという反論が出てきますが、とりあえず脇においておきます)。

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売るための音楽?

 


Aduer Times に、「技術はコンテンツに対し中立でいられるのか? ~CD1枚74分とサビ頭ポップソングにその真髄を見る~」(田端 信太郎(コンデナスト・デジタル カントリーマネージャー) 2012年3月26日) という記事がアップされていました。

内容は、CD の収録時間のトリビア(カラヤン演奏のベートーヴェン第九が収録されるように収録時間が 74 分になった、という例のアレ)を例にとりながら、録音メディアとポピュラー音楽を中心にした音楽作品の在り方についてです。そして結論としては、音楽に限らず広く表現、いや、それに限らず商品というものには、商品それ自体以外の、それを取り巻く環境が、売れる/売れない(というか、どういうふうに売りたいのか)へ大きな影響を与えている、ということらしいです。

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悠木碧《プティパ》レビュー

これはスゴい。何がスゴいって、やはり声優の作品だけあって、声に感情が込められている。いや、ふつう、歌い手は、声に気持ちを込めるものなのだろうけど、もしくはその逆で、声に気持ちを込めないことで歌い手の意志を表現するのだろうけど、《プティパ》の場合、そういう段階を軽く超えている。こう言うと逆にその良さが伝わらないかもしれないが、演技しているのだ。抽象的な嬉しいとか、悲しいとか、そういうものではなく、悠木碧が隣で嬉しいとか悲しいとかを歌声で具現化しているのだ。そう、具現化。この作品は、歌声が目の前にあるという錯覚だ。

そしてこの 歌 声 に よ る 感 情 の 具 現 化 を支えているのが、楽曲の音律的完成度の高さである。とにかく旋律が長調から単調へ、短調から長調へとめまぐるしくはっきりと変わる様が分かる。また拍子も、4拍子・3拍子・2拍子がぐるぐるはっきりと変わっていく。ときにこの変化があざとく(笑)感じることもあるが、そのあざとさから、作家の本気度が伺える。

悠木碧の歌声は、その作家の本気度にしっかり答えている。歌いこなしている。自分のものにしている。もしかしてまだ、声 優 の C D とかいって色メガネで見る聴き手がいるかもしれないが、そういう聴き手が色メガネで見ている 声 優 の C D がこれ程の完成度なのだ。しかもデビュー作、しかもミニアルバム。

というかミニアルバムで良かった。27分と短くて良かった。これくらいの時間がちょうど良い。これ以上、長かったら、あざと過ぎて聴くのが疲れる、と思う寸前で終わる、ちょうど良い長さ。こういうのも含めて、だから冒頭で言ったのだ。これはスゴいと。

以下、Twitter での鑑賞実況に、若干加筆・修正を施したものである。

1. 〈ハコニワミラージュ〉

オルゴールのイントロ。は長調なんだけどピアノ、が入っていきなり短調(笑)、っていうか暗い(笑) そしてこれ、アトモスがしっかり聴こえる。なかなか録音もこだわっている。と思われる。ちゃんとスタジオの雰囲気というか、そういうのが録音されているから。ラインで録ったのっぺりとした音響ではない。しかし旋律は暗い(笑)(もしかしてアトモスっぽい効果を出すプラグインとかあるかもしれんけど(笑))声的には…、ミーハーなもんで、まどかくらしか知らんけど、あんままどかっぽくない。

2. 〈回転木馬としっぽのうた〉

魔法のかかったようなおもちゃ箱のような曲調、、3拍子! 1曲目と違って、幼い声。Bメロの「ポコポコ~」ってところが、掴み難いリズム。揺れてはないんだけど、ズレてる。リズムのズレが生じる B メロから、旋律と打楽器がバッチリ合うサビへの流れが、非常に気持ち良い。リズムのドミナントモーション(笑)みたいな(笑)

3. 〈ジェットコースターと空の色〉

悲壮感のある歌声…、なんだけど長調。音響も低音が、前2曲に比べると強調されているから、何だか「黒い」印象があるけど、長調。2曲目 といい、この曲といい、アンバランス感すごいな…、他にこういう楽曲を発表している歌手とか声優とかいるのだろうか。ちなみに、聴 き 易 い ム ン ベ ー みたいな、打ち込みのバックトラックで、ところどころ非楽音が使用されていて、それが遊園地というか、おもちゃ箱感ある。

4. 〈時計観覧車〉

ロック、しかも最初Vo. にリバーブたっぷりw それからリバーブ抑え気味、でダブル、いやー、声を堪能できる。もしかしていちばん素に近い声かなあ。バックトラックの音響は単調で、その代わり声のエフェクトがかなり変化しているおもしろい。2番目のサビにいくかと思ったら、突然叫んで間奏へ、ちょっと意外な展開

5. 〈Baby Dolly Alice〉

ちょっと形容し難い…、これは…、うーん、旋律がけっこう跳ねてて、それに合わせて Vo. が「演技」しているというか。前の楽曲までの声とまた全然違う。明るい曲かと思ったら 2:50 ころからいきなり、3:20 ころまで短調w しかもそれに合わせて声も悲しげw すげえっす。声 が 悲 し そ う に 聞 こ え る てよくわからないけど、とにかくそうなんだよ。 6. 〈シュガーループ〉 ハードロックで、ベースはブリープ効いてるシンセで短調で、ダメだ、全然好きになれない。これはダメだ…。2:00 ころからの Cメロがいきなり長調に。長調なのはCメロだけだけど。 しかし忙しい曲が多いな、最初、この忙しさがスゲェって思ってたけど、忙し過ぎてだんだんあざとくなってきた…(笑)

7. 〈Night Parade.〉

3拍子、打ち込み。Daedelus みたいな。テンポ速い。暗い。ちょっとまどかの魔女っぽいかも。tr7 たぶんこれが、最も彼女らしい楽曲なのかなあ、あれ? いつの間にか2拍子になってないか? 拍子がAメロだったりサビだったりによって2拍子だったり3拍子だったりしている。これが禍々しさ(笑)、魔女っぽさ(笑)の原因か。これ歌うの相当大変だろ… さすがやで…

8. 〈ハコニワソレイユ〉

1曲目〈ハコニワミラージュ〉のリプライズみたいなタイトル、曲調もそう。そして歌の旋律を引用してる。あー、これでアルバム1周聴き終わった感を演出しているのか。しかし暗いなぁ。と思ったら、2:00 くらいから明るいゆっくりとしたメロディーで、ちょっと救われた感があるなあ。

 



テクノやトランスのパーティーも最初は反商業主義的なイベントとして始まった・・・

 


Qeticに、Star Fes に関する記事「テクノやトランスのパーティーも最初は反商業主義的なイベントとして始まったのです。」が掲載されていた。

内容は、記事のタイトル元ネタになっている2ちゃんねるでの発言を引用しつつ、いろんな意見がある、と断りを入れた上で、お客さんが運営側に求めすぎることなく楽しむことが第一だ、というものであった。

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